第9章 モバイルに関する基本的な法制度・関連知識の要点
電波法、SIMロック、MNP、迷惑メール、個人情報を整理
- 第9章は、モバイルを使うときに関わる法律と決まりの章です。電波法と技適、機器の安全、契約や乗り換えのルール、個人情報、迷惑メール、著作権まで出ます。
- 電波法・電気通信事業法・特定商取引法・電子消費者契約法 のように、法律の名前とその目的を結びつける問題が出ます。
- 用語は「どんな場面の決まりか」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第9章「モバイルに関する基本的な法制度・関連知識」は、モバイル端末の利用や契約、サービスの提供に関わる法律と国のガイドラインを扱う章です。電波法、電気通信事業法、個人情報保護法、迷惑メール防止法など、似た名前の法律が多く出てきます。
本番の60問のうち、第9章からは6問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全10章の範囲から均等に出す作りで、第9章からは6問を出しています。試験全体の約10%にあたります。
もちこ道場の第9章の問題は50問です。本番と同じ4つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 20問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 10問 |
| 正しい記述を選ぶ | 10問 |
| 誤った記述を選ぶ | 10問 |
出てくる用語は、どんな場面の決まりかで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. 機器の安全
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 電波法・技適 | 国内で使う無線機器は技術基準を満たす必要がある。適合した機器に技適マークが付く |
| 電気用品安全法・PSE | モバイルバッテリーは、PSE マークなどの表示がなければ国内で販売できない |
| セパレータ | リチウムイオン電池の+極と-極を仕切る絶縁膜。壊れるとショートし、発煙・発火に至ることがある |
| 製造物責任法 | 製造物の欠陥による損害の賠償責任を定める。欠陥は設計上・製造上・指示警告上 |
2. 契約と取引
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 電気通信事業法 | 事業者間の公正な競争で、国民が低料金で多様なサービスを受けられるようにする |
| 特定商取引法 | 悪質な勧誘などを防ぐ。訪問販売や通信販売の事業者のルールとクーリング・オフを定める |
| 電子消費者契約法 | 確認画面などの措置がなければ、消費者は操作ミスによる契約を無効にできる |
| 電子署名法 | 本人による一定の電子署名がある電子文書を、真正に成立したものと推定する |
| ダークパターン | 事業者に有利な選択肢へ誘導する UI や初期設定 |
3. 乗り換えと SIM
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| MNP | 電話番号を変えずに契約先を変える。従来のツーストップ方式では、今の会社で予約番号を取り、移転先で新規契約を結ぶ |
| 契約解除金 | 年間契約などの割引サービスを契約していると、MNP に伴う解約で発生することがある |
| 契約事務手数料 | ツーストップ方式で、乗り換え先で新規契約をするときに必要な費用 |
| SIM ロック | 特定の通信会社の SIM でしか動かない制限。総務省のガイドラインは、令和3年10月以降に発売される端末への設定を原則禁止 |
| 対応周波数帯 | 販売事業者により異なると、SIM ロックを解除しても他社回線で通信できない |
| eSIM・RSP | 端末に組み込まれた SIM と、加入者情報をオンラインで書き込む機能。ガイドラインは MVNO 向けの RSP 機能の開放を求める |
4. 個人情報と不正アクセス
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 個人情報保護法 | 集めた個人情報の適正な管理を義務づけ、本人の意に反する利用を禁じる |
| 個人関連情報 | 個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のどれにも当たらないもの。Cookie の閲覧履歴など |
| 不正アクセス禁止法 | 他人の ID やパスワードで侵入するなりすまし行為などを禁じる。識別符号を無断で第三者に渡す助長行為も禁止 |
| 登録業務専用端末 | 店舗で契約内容を登録・変更する端末。アクセス権の管理が非常に重要 |
5. 迷惑メール
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 迷惑メール防止法 | 事前に受信を承諾した相手にだけ広告宣伝メールを送れるオプトイン方式を導入 |
| 未承諾広告 | 特定電子メールの送信者に、表示が義務付けられている事項の一つ |
| 表示の義務 | 送信者の氏名や住所、受信拒否のためのメールアドレスなど |
6. 著作権・生成AI・相談窓口
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 著作権法 | 著作者や著作権者の権利を守る。正当な引用や私的な利用などは制限に該当する |
| 生成AI | 2022年以降に急速に普及した。生成物が学習された著作物と似るなど、著作権侵害の懸念がある |
| 電気通信消費者相談センター | 総務省に設けられた、電気通信サービスに関する苦情や相談の窓口 |
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、似た名前の法律や制度が並びます。次の組み合わせは、「何を守る法律か」を一言で言えるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| 電波法と電気通信事業法 | 電波の公平で能率的な利用(電波法)か、事業者間の公正な競争と利用者の利益(電気通信事業法)か |
| 特定商取引法と電子消費者契約法 | 訪問販売などのルールとクーリング・オフ(特定商取引法)か、確認画面と操作ミス(電子消費者契約法)か |
| 技適と PSE | 無線機器の技術基準(技適)か、モバイルバッテリーなど電気用品の安全(PSE)か |
| 契約解除金と契約事務手数料 | MNP に伴う解約で発生することがある(契約解除金)か、乗り換え先で新規契約をするときに必要(契約事務手数料)か |
| 個人情報と個人関連情報 | 個人情報の区分に当たる情報か、どの区分にも当たらず、Cookie の閲覧履歴のような情報か |
| 製造上の欠陥と設計上・指示警告上の欠陥 | 製造の工程の材料や作業が原因か、設計や指示・警告が原因か |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
ほかの章の要点は「記事の一覧」にまとめています。
第9章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第9章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
日本国内でモバイル端末などを使用する場合は、原則として電波法が定める技術基準を満たしていなければならず、この基準を満たした機器には1マークがつけられている。
答えと解説を見る
正解は 4(技適)です。
【概要】
国内で使う無線機器は電波法の技術基準を満たす必要があり、適合した機器には技適マークが付く。正式には技術基準適合証明のマークである。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. PSEあなたの解答 PSEマークは電気用品安全法に基づきモバイルバッテリー等に表示するもので、電波法の基準適合の印ではない。
- 2. JISあなたの解答 JISは日本の産業製品に関する国家規格であり、電波法の技術基準に適合した無線機器に付くマークではない。
- 3. CEあなたの解答 CEは欧州の基準適合を示すマークであり、日本の電波法で使用が認められた機器の証明にはならない。
- 4. 技適正解あなたの解答 技適マークは電波法の技術基準に適合したことを示し、スマートフォンでは設定画面で確認できる機種が多い。
問2
電子消費者契約法では、消費者がWebサイトで操作ミスをした場合でも、事業者が1を用意するなどの適切な措置を講じていなければ、消費者は契約の無効を主張できると定めている。
答えと解説を見る
正解は 3(確認画面)です。
【概要】
電子消費者契約法は、事業者が申込み内容の確認画面を設けるなどの措置を取っていない場合、消費者の操作ミスによる契約を無効にできると定めている。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 電子署名あなたの解答 電子署名は文書の作成者や改変の有無を確かめる仕組みで電子署名法の対象であり、操作ミス対策の措置ではない。
- 2. クーリング・オフ期間あなたの解答 クーリング・オフ期間は特定商取引法などが定める契約解除の期間であり、電子消費者契約法の確認措置ではない。
- 3. 確認画面正解あなたの解答 確認画面は申込み内容を確定前に見直せるようにする措置で、これがなければ消費者は操作ミスによる契約の無効を主張できる。
- 4. オプトイン画面あなたの解答 オプトイン画面は広告メール等の受信に同意を得るためのものであり、契約内容の確認措置には当たらない。
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よくある質問
第9章は、ほかの章とどうつながっていますか?
第8章のセキュリティで出てきたオプトイン規制や、第1章の MNP・SIM の言葉を、法律や国のガイドラインの面から学びます。次の第10章は、最新の動向を扱う最後の章です。
法律の名前は、どう覚えればよいですか?
「何を守るための法律か」で覚えます。電波法は電波の公平で能率的な利用、電気通信事業法は事業者間の公正な競争と利用者の利益、著作権法は著作物の権利、製造物責任法は製造物の欠陥による損害の賠償責任です。
製造物責任法の「欠陥」は、どう分かれますか?
設計上、製造上、指示警告上の3つに分かれます。製造の工程で材料や作業が原因となって生じるものが、製造上の欠陥です。
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出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。