第8章 モバイルにおけるセキュリティの要点
3要件、盗難・紛失の対策、EMM、迷惑メール、フィルタリングを整理

更新日 2026年10月26日 読む時間の目安 約6分
この記事の要点
  • 第8章は、モバイル端末を安全に使うための考え方と対策の章です。情報セキュリティの3要件、盗難・紛失への備え、企業の端末管理、マルウェア、迷惑メール、フィルタリングまで出ます。
  • 機密性・完全性・可用性、MDM と MAM と MCM と EMM、ホワイトリストとブラックリスト のような、似た言葉の違いが問われます。
  • 用語は「何を守る、何から守る話か」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この記事の目次
  1. この章で問われること
  2. 6つのまとまりと押さえる用語
  3. 取り違えやすい組み合わせ
  4. この章の勉強の進め方
  5. 第8章の問題を解いてみる
  6. よくある質問

この章で問われること

第8章「モバイルにおけるセキュリティ」は、モバイル端末の情報を守る考え方と、実際の対策を扱う章です。端末の盗難や紛失、マルウェア、迷惑メールや詐欺、青少年を守るフィルタリングまで、幅広く取り上げます。

本番の60問のうち、第8章からは6問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全10章の範囲から均等に出す作りで、第8章からは6問を出しています。試験全体の約10%にあたります。

もちこ道場の第8章の問題は50問です。本番と同じ4つの形式に分けると、次のようになります。

形式 問題数
穴埋め(1か所) 20問
穴埋め(組み合わせ) 10問
正しい記述を選ぶ 10問
誤った記述を選ぶ 10問

出てくる用語は、何を守る話かで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。

第8章の用語の6つのまとまり 1. 3要件とリスク 機密性・完全性・可用性 2. 盗難・紛失 遠隔ロック・リモートワイプ 3. 企業の端末管理 MDM・MAM・EMM 4. マルウェア 汎用OS・管理者権限 5. 迷惑メール オプトイン・詐欺 6. フィルタリング ホワイト・ブラック
第8章の用語の6つのまとまり(もちこ道場のまとめ)

6つのまとまりと押さえる用語

1. 3要件とリスク

用語 ひとことで
機密性 正当な権利を持つ人だけが情報にアクセスできる
完全性 情報が破壊、改ざん、消去されていない
可用性 必要なときに、いつでも情報にアクセスできる
リスク・脅威・脆弱性 損害が生じうる可能性、その要因、脅威に利用されうる弱点
運用上の脆弱性 初期設定の不適切さなど、使い方に起因する弱点

機密性と完全性は不正アクセス防止機能、可用性は誤操作防止機能の不足が、主な原因とされます。

2. 盗難・紛失への備え

用語 ひとことで
ローカルロック 端末自体にかけるロック。日常的に使う
遠隔ロック 盗難・紛失時に、通信会社または利用者の操作で端末をロックする。解除は通信会社だけ
リモートワイプ 離れた場所から端末内のデータを消去する
遠隔バックアップ アドレス帳やメールなどを、事業者のデータセンタへ保存する

3. 企業の端末管理

用語 ひとことで
MDM 端末の管理
MAM アプリケーション単位の管理
MCM コンテンツの管理
EMM MDM に MAM と MCM を加えた、企業向けの管理システム
BYOD 個人の端末を業務で使うこと。MDM では端末全体を管理するため、適用しにくい場合がある
セキュリティポリシー 組織で決めた方針。全端末に強制して、個人のモラルに頼らない

4. マルウェアと汎用OS

用語 ひとことで
汎用OS 誰でもアプリを作成・導入できる。パソコンと同じような対策が必要
マルウェア 悪意のある第三者が作ったプログラム。入れると管理者権限を奪われるおそれがある

5. 迷惑メールと詐欺

用語 ひとことで
広告宣伝メール・架空請求メール・詐欺なりすましメール 迷惑メールの3つの種類
フィッシング詐欺 メールの URL から本物に似せた偽サイトへ誘い、ID やパスワードを盗む
クリック詐欺 偽の警告を出す Web サイトに誘導し、架空請求をする
オプトイン規制 広告宣伝メールは、原則として事前に同意した相手にだけ送れる
受信拒否の機能 URL 付きメール拒否、指定ドメイン受信/拒否、なりすましメール拒否

6. フィルタリング

用語 ひとことで
ホワイトリスト方式 安全で有益なサイトだけを許可する
ブラックリスト方式 原則許可して、有害な特定サイトだけを制限する
時間帯 夜間から早朝のアクセスを止める。ホワイト・ブラックとは別の方式
有害情報フィルタリング 18 歳未満の閲覧を通信会社側で制限する。保護者の申し出がない限り、適用が法律で義務付けられている

取り違えやすい組み合わせ

選択肢には、同じまとまりの用語が並びます。次の組み合わせは、「何が違うか」を一言で言えるようにしておきます。

組み合わせ 見分け方
機密性・完全性・可用性 見られない(機密性)、書き換えられない(完全性)、必要なときに使える(可用性)
遠隔ロックとリモートワイプ 端末を操作できなくする(ロック)か、データを消去する(ワイプ)か
MDM・MAM・MCM 端末(MDM)、アプリ(MAM)、コンテンツ(MCM)のどれを管理するか
MDM と EMM 端末の管理だけか、アプリとコンテンツの管理も加えたものか
ホワイトリストとブラックリスト 許可するものだけを選ぶ(ホワイト)か、制限するものだけを選ぶ(ブラック)か
フィッシング詐欺とクリック詐欺 本物に似せた偽サイトで情報を盗む(フィッシング)か、偽の警告で架空請求をする(クリック)か

この章の勉強の進め方

  1. 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
  2. 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
  3. 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。

ほかの章の要点は「記事の一覧」にまとめています。

第8章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第8章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

情報セキュリティを確保するためには、「機密性」、「完全性」および1という3つの要件を満たす必要がある。1とは、情報が必要な時にいつでもアクセスできる状態を指し、モバイル端末においてはユーザの誤操作を防止する機能の不足などがこれを損なう主な原因となる。

答えと解説を見る

正解は 4(可用性)です。

【概要】

情報セキュリティの3要件のうち、必要なときに情報へアクセスできることを可用性という。モバイル端末では誤操作を防ぐ機能の不足が可用性を損なう主な原因とされる。

【図解】実験的機能

情報セキュリティの3要件とリスク・脅威・脆弱性 情報セキュリティの3要件とリスク・脅威・脆弱性

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 真正性あなたの解答 真正性は、情報や利用者が本物であることを指す性質であり、情報セキュリティの3要件(機密性・完全性・可用性)には含まれない。
  • 2. 信頼性あなたの解答 信頼性は、システムが意図どおりに動作し続ける性質を指し、情報セキュリティの3要件(機密性・完全性・可用性)には含まれない。
  • 3. 有用性あなたの解答 有用性は、役に立つ度合いを表す一般的な言葉であり、情報セキュリティの3要件の一つではない。
  • 4. 可用性正解あなたの解答 可用性は、情報を必要なときにいつでも使える状態を指し、機密性・完全性と並ぶ3要件の一つである。

問2

モバイル端末の盗難や紛失時の情報漏えい対策として、ネットワーク経由で端末の操作を不能にする機能がある。これを実施すると、電源のON/OFF以外の操作ができなくなり、第三者による不正利用を防ぐことができる。この仕組みを1という。

答えと解説を見る

正解は 2(遠隔ロック)です。

【概要】

遠隔ロックは、盗難・紛失時に移動体通信会社またはユーザの操作で端末をロックする対策である。実施後は電源のON/OFFを除き操作ができなくなる。

【図解】実験的機能

盗難・紛失への備え(ロック・消去・バックアップ) 盗難・紛失への備え(ロック・消去・バックアップ)

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 生体認証あなたの解答 生体認証は、指紋や顔など身体の特徴で本人を確かめる方法であり、離れた場所から端末を操作不能にする仕組みではない。
  • 2. 遠隔ロック正解あなたの解答 遠隔ロックは、離れた場所から端末をロックし電源のON/OFF以外を使えなくする仕組みで、本問の説明に合う。
  • 3. 遠隔バックアップあなたの解答 遠隔バックアップは、端末のデータを事業者のデータセンタに保存するサービスであり、端末を操作不能にするものではない。
  • 4. ローカルロックあなたの解答 ローカルロックは、端末を手元で操作してかけるロックを指し、ネットワーク経由で離れた端末をロックする本問の仕組みではない。
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よくある質問

第8章は、ほかの章とどうつながっていますか?

第7章までに学んだ端末やサービスを、安全に使うための章です。次の第9章では、モバイルに関する法制度を学びます。この章でも、オプトイン規制やフィルタリングの義務のように、法律に関わる内容が出てきます。

3要件は、どう覚えればよいですか?

機密性は、正当な権利を持つ人だけが情報にアクセスできること。完全性は、情報が破壊・改ざん・消去されていないこと。可用性は、必要なときに情報へアクセスできることです。損なわれたときの場面と結びつけて覚えます。

盗難や紛失への対策で、最優先なのは何ですか?

情報漏えいへの備えです。日常的なロック機能の活用に加え、遠隔ロックや遠隔バックアップが有効です。

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出典・注記

出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. モバイル技術基礎検定(MCPC 公式)