第10章 5G/IoT/AIの最新動向の要点
5G の特徴、ローカル5G、IoT の構成と通信、機械学習を整理

更新日 2026年10月26日 読む時間の目安 約6分
この記事の要点
  • 第10章は、モバイルの最新の動向を扱う最後の章です。5G の3つの要求条件、ローカル5G、IoT の構成と通信方式、機械学習とディープラーニング、オープン型モバイルビジネスまで出ます。
  • M2M と IoT、LPWA と LTE-M、機械学習の学習フェーズと実行フェーズ のように、似た言葉の違いが問われます。
  • 用語は「どの分野の話か」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この記事の目次
  1. この章で問われること
  2. 6つのまとまりと押さえる用語
  3. 取り違えやすい組み合わせ
  4. この章の勉強の進め方
  5. 第10章の問題を解いてみる
  6. よくある質問

この章で問われること

第10章「5G/IoT/AIの最新動向」は、このテキストの最後の章です。5G、ローカル5G、IoT、AI と、これからのモバイルに関わる分野を扱います。第3章で学んだ無線の技術や、第1章の M2M といった言葉が、ここでもう一度出てきます。

本番の60問のうち、第10章からは6問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全10章の範囲から均等に出す作りで、第10章からは6問を出しています。試験全体の約10%にあたります。

もちこ道場の第10章の問題は50問です。本番と同じ4つの形式に分けると、次のようになります。

形式 問題数
穴埋め(1か所) 20問
穴埋め(組み合わせ) 10問
正しい記述を選ぶ 10問
誤った記述を選ぶ 10問

出てくる用語は、どの分野の話かで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。

第10章の用語の6つのまとまり 1. 5G の特徴 3つの要求条件 2. ローカル5G 自営・無線局免許 3. IoT の構成 デバイス・ゲートウェイ 4. IoT の通信 LPWA・LTE-M・PLC 5. 機械学習と AI 学習済みモデル・CNN 6. ビジネス オープン型・MLOps
第10章の用語の6つのまとまり(もちこ道場のまとめ)

6つのまとまりと押さえる用語

1. 5G の特徴

用語 ひとことで
超高速 下り最大 20Gbps 程度。4G の約 20 倍
超高信頼・超低遅延 無線区間の遅延が 1 ミリ秒程度。遠隔地の機器をリアルタイムで制御できる
多数同時接続 接続密度は 1km² 当たり 100 万個
OFDM 5G で採用された、伝送効率のよい方式(4G でも使用)
マッシブMIMO 小型のアンテナ素子を数多く集積して、効率的に通信する
ミリ波帯 28GHz 帯などの高い周波数帯。より広い帯域幅で信号を伝送できる

2. ローカル5G

用語 ひとことで
ローカル5G 企業や自治体などが、自らの建物内や敷地内に構築する自営の5G
無線局免許 ローカル5Gは免許に基づき、無線LANより安定的に使える
専用の周波数 全国向け5Gとは別に用意された周波数。4.6-4.9GHz 帯なども制度化された

エリア展開が遅れた地域でも、先行して構築できます。

3. IoT の構成

用語 ひとことで
M2M 機械どうしの通信による、データ利用や遠隔監視・制御
IoT 多様なモノをつなぎ、データの統合活用で新たな価値を生む。M2M を含む概念
IoT デバイス 信号・データ処理部を中心に、通信部、入出力部、電源管理部、センサ部・アクチュエータ部で構成
IoT ゲートウェイ デバイスのデータを集計してサーバへ送り、命令の中継やプロトコル変換を行う
A/D 変換・GPIO 入出力部の機能。アナログのデータをデジタルにする、デジタル入出力に使う端子
エナジーハーベスティング 振動・温度差・室内光・電波などの弱いエネルギーで発電して使う。EnOcean が代表例
フィールド領域 IoT デバイスやゲートウェイが置かれる現場側(サーバ/クラウド側はインフラストラクチャ領域)

4. IoT の通信

用語 ひとことで
IoT エリアネットワーク ゲートウェイとデバイスを結ぶ通信
LPWA 低消費電力で広い範囲をカバーする IoT 専用の方式。LoRaWAN、NB-IoT、Sigfox、ELTRES
LTE-M LTE をベースにした、IoT 向けの方式
PLC 電力線通信。ゲートウェイとデバイスの接続に使う有線通信技術

5. 機械学習と AI

用語 ひとことで
学習フェーズ 前処理した訓練データから学習させ、学習済みモデルを作る
実行フェーズ 学習済みモデルを現場に置き、未知のデータで予測や異常検知を行う
ニューラルネットワーク 脳の神経回路を模倣した、パターン認識の仕組み。多層にして学習させるのがディープラーニング
CNN 畳み込みニューラルネットワーク。画像認識の精度が人間を上回った
説明可能な AI ディープラーニングがブラックボックスなので、判断の根拠を分かりやすくする研究
生成 AI 2022 年以降に急速に普及した AI

6. モバイルビジネスと基盤

用語 ひとことで
5つのレイヤ 端末、ネットワーク、通信サービス、プラットフォーム、コンテンツ・アプリケーション
オープン型モバイルビジネス ネットワークと通信サービス以外のレイヤを、誰でも提供してよい環境
オープンプラットフォーム 通信方式や通信会社に縛られず、アプリを流通・利用できる土台。Android や iOS
IoT サービスプラットフォーム データ送信やデバイス管理などの共通機能をまとめて提供する
MLOps 前処理から学習、学習済みモデルの配備までを自動化・迅速化する仕組み

取り違えやすい組み合わせ

選択肢には、同じまとまりの用語が並びます。次の組み合わせは、「何が違うか」を一言で言えるようにしておきます。

組み合わせ 見分け方
M2M と IoT 機械どうしの通信が中心(M2M)か、M2M を含み多様なモノをつなぐ概念(IoT)か
5G の3つの要求条件 速さ(超高速)、遅れの小ささ(超低遅延)、接続の数(多数同時接続)のどれか
全国向け5Gとローカル5G 通信会社が全国に提供するか、自営で建物内・敷地内に作り、専用の周波数と無線局免許を使うか
LPWA と LTE-M IoT 専用の低消費電力・広域の方式の総称か、LTE をベースにした方式か
学習フェーズと実行フェーズ 学習済みモデルを作る(学習)か、現場で予測に使う(実行)か
フィールド領域とインフラストラクチャ領域 デバイスやゲートウェイがある現場側か、サーバ/クラウド側か

この章の勉強の進め方

  1. 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
  2. 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
  3. 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。

ほかの章の要点は「記事の一覧」にまとめています。

第10章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第10章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

第5世代移動通信システムの3つのシステム要求条件のうち、下り最大20Gbps程度の回線を利用でき、4Gの約20倍の速さのサービスを提供できる条件は1である。

答えと解説を見る

正解は 2(超高速)です。

【概要】

超高速は、5Gの3つのシステム要求条件の一つで、下り最大20Gbps程度の回線が利用できる。これは4Gの約20倍の速さで、約3秒で2時間の映画を取得できる速さに相当する。

【図解】実験的機能

5Gの3つの要求条件と主な技術 5Gの3つの要求条件と主な技術

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 超高信頼・超低遅延あなたの解答 超高信頼・超低遅延は、遠隔地の機器をリアルタイムに制御するために、伝送遅延を1ミリ秒程度にするという条件であり、回線の速さを示すものではない。
  • 2. 超高速正解あなたの解答 問題文の、下り最大20Gbps程度で4Gの約20倍の速さという数値に合う。
  • 3. 多数同時接続あなたの解答 多数同時接続は、多数のIoTデバイスが同時にアクセスできるという条件であり、回線の速さを示すものではない。
  • 4. レディーメードあなたの解答 レディーメードは、利用分野や利用形態に合った通信サービスを提供するという考え方であり、3つのシステム要求条件の一つではない。

問2

IoT専用の通信ネットワークとして利用されるLoRaWANやSigfox、NB-IoTなどの方式は、低消費電力で広域をカバーできるという特徴を持っており、これらは総称して1と呼ばれる。

答えと解説を見る

正解は 1(LPWA)です。

【概要】

LPWAは、低消費電力で広い範囲をカバーできるIoT専用の通信方式の総称である。LoRaWAN、NB-IoT、Sigfox、ELTRESなどがこれに含まれる。

【図解】実験的機能

LPWAとLTE-M・基幹ネットワーク LPWAとLTE-M・基幹ネットワーク

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. LPWA正解あなたの解答 LPWAは、LoRaWANやSigfox、NB-IoTなど低消費電力・広域カバーのIoT向け方式の総称である。
  • 2. WPANあなたの解答 WPANは個人の周囲の近距離で機器をつなぐ無線ネットワークであり、広域をカバーする方式の総称ではない。
  • 3. WLANあなたの解答 WLANは無線LANのことで建物内など限られた範囲の通信に使われ、広域向けの方式の総称ではない。
  • 4. WiMAXあなたの解答 WiMAXは基幹ネットワークの無線方式の一つであり、LPWAの総称ではない。
問題を解いて確かめる

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よくある質問

第10章は、ほかの章とどうつながっていますか?

第3章で学んだ OFDM や MIMO などの無線の技術が、5G にも使われています。第1章の M2M 等専用番号や、第8章のセキュリティの考え方も、IoT で関わってきます。

5G の3つの要求条件は、どう覚えればよいですか?

超高速(下り最大 20Gbps 程度)、超高信頼・超低遅延(無線区間で 1 ミリ秒程度)、多数同時接続(1km² 当たり 100 万個)の3つです。数字と一緒に覚えます。

M2M と IoT は、何が違いますか?

M2M は機械どうしの通信によるデータ利用や遠隔監視・制御に重点があります。IoT は多様なモノをつなぎ、データの統合活用で新たな価値を生むことが期待され、M2M を含む概念と考えられます。

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出典・注記

出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. モバイル技術基礎検定(MCPC 公式)