第10章 5G/IoT/AIの最新動向の要点
5G の特徴、ローカル5G、IoT の構成と通信、機械学習を整理
- 第10章は、モバイルの最新の動向を扱う最後の章です。5G の3つの要求条件、ローカル5G、IoT の構成と通信方式、機械学習とディープラーニング、オープン型モバイルビジネスまで出ます。
- M2M と IoT、LPWA と LTE-M、機械学習の学習フェーズと実行フェーズ のように、似た言葉の違いが問われます。
- 用語は「どの分野の話か」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第10章「5G/IoT/AIの最新動向」は、このテキストの最後の章です。5G、ローカル5G、IoT、AI と、これからのモバイルに関わる分野を扱います。第3章で学んだ無線の技術や、第1章の M2M といった言葉が、ここでもう一度出てきます。
本番の60問のうち、第10章からは6問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全10章の範囲から均等に出す作りで、第10章からは6問を出しています。試験全体の約10%にあたります。
もちこ道場の第10章の問題は50問です。本番と同じ4つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 20問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 10問 |
| 正しい記述を選ぶ | 10問 |
| 誤った記述を選ぶ | 10問 |
出てくる用語は、どの分野の話かで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. 5G の特徴
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 超高速 | 下り最大 20Gbps 程度。4G の約 20 倍 |
| 超高信頼・超低遅延 | 無線区間の遅延が 1 ミリ秒程度。遠隔地の機器をリアルタイムで制御できる |
| 多数同時接続 | 接続密度は 1km² 当たり 100 万個 |
| OFDM | 5G で採用された、伝送効率のよい方式(4G でも使用) |
| マッシブMIMO | 小型のアンテナ素子を数多く集積して、効率的に通信する |
| ミリ波帯 | 28GHz 帯などの高い周波数帯。より広い帯域幅で信号を伝送できる |
2. ローカル5G
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| ローカル5G | 企業や自治体などが、自らの建物内や敷地内に構築する自営の5G |
| 無線局免許 | ローカル5Gは免許に基づき、無線LANより安定的に使える |
| 専用の周波数 | 全国向け5Gとは別に用意された周波数。4.6-4.9GHz 帯なども制度化された |
エリア展開が遅れた地域でも、先行して構築できます。
3. IoT の構成
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| M2M | 機械どうしの通信による、データ利用や遠隔監視・制御 |
| IoT | 多様なモノをつなぎ、データの統合活用で新たな価値を生む。M2M を含む概念 |
| IoT デバイス | 信号・データ処理部を中心に、通信部、入出力部、電源管理部、センサ部・アクチュエータ部で構成 |
| IoT ゲートウェイ | デバイスのデータを集計してサーバへ送り、命令の中継やプロトコル変換を行う |
| A/D 変換・GPIO | 入出力部の機能。アナログのデータをデジタルにする、デジタル入出力に使う端子 |
| エナジーハーベスティング | 振動・温度差・室内光・電波などの弱いエネルギーで発電して使う。EnOcean が代表例 |
| フィールド領域 | IoT デバイスやゲートウェイが置かれる現場側(サーバ/クラウド側はインフラストラクチャ領域) |
4. IoT の通信
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| IoT エリアネットワーク | ゲートウェイとデバイスを結ぶ通信 |
| LPWA | 低消費電力で広い範囲をカバーする IoT 専用の方式。LoRaWAN、NB-IoT、Sigfox、ELTRES |
| LTE-M | LTE をベースにした、IoT 向けの方式 |
| PLC | 電力線通信。ゲートウェイとデバイスの接続に使う有線通信技術 |
5. 機械学習と AI
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 学習フェーズ | 前処理した訓練データから学習させ、学習済みモデルを作る |
| 実行フェーズ | 学習済みモデルを現場に置き、未知のデータで予測や異常検知を行う |
| ニューラルネットワーク | 脳の神経回路を模倣した、パターン認識の仕組み。多層にして学習させるのがディープラーニング |
| CNN | 畳み込みニューラルネットワーク。画像認識の精度が人間を上回った |
| 説明可能な AI | ディープラーニングがブラックボックスなので、判断の根拠を分かりやすくする研究 |
| 生成 AI | 2022 年以降に急速に普及した AI |
6. モバイルビジネスと基盤
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 5つのレイヤ | 端末、ネットワーク、通信サービス、プラットフォーム、コンテンツ・アプリケーション |
| オープン型モバイルビジネス | ネットワークと通信サービス以外のレイヤを、誰でも提供してよい環境 |
| オープンプラットフォーム | 通信方式や通信会社に縛られず、アプリを流通・利用できる土台。Android や iOS |
| IoT サービスプラットフォーム | データ送信やデバイス管理などの共通機能をまとめて提供する |
| MLOps | 前処理から学習、学習済みモデルの配備までを自動化・迅速化する仕組み |
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、同じまとまりの用語が並びます。次の組み合わせは、「何が違うか」を一言で言えるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| M2M と IoT | 機械どうしの通信が中心(M2M)か、M2M を含み多様なモノをつなぐ概念(IoT)か |
| 5G の3つの要求条件 | 速さ(超高速)、遅れの小ささ(超低遅延)、接続の数(多数同時接続)のどれか |
| 全国向け5Gとローカル5G | 通信会社が全国に提供するか、自営で建物内・敷地内に作り、専用の周波数と無線局免許を使うか |
| LPWA と LTE-M | IoT 専用の低消費電力・広域の方式の総称か、LTE をベースにした方式か |
| 学習フェーズと実行フェーズ | 学習済みモデルを作る(学習)か、現場で予測に使う(実行)か |
| フィールド領域とインフラストラクチャ領域 | デバイスやゲートウェイがある現場側か、サーバ/クラウド側か |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
ほかの章の要点は「記事の一覧」にまとめています。
第10章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第10章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
第5世代移動通信システムの3つのシステム要求条件のうち、下り最大20Gbps程度の回線を利用でき、4Gの約20倍の速さのサービスを提供できる条件は1である。
答えと解説を見る
正解は 2(超高速)です。
【概要】
超高速は、5Gの3つのシステム要求条件の一つで、下り最大20Gbps程度の回線が利用できる。これは4Gの約20倍の速さで、約3秒で2時間の映画を取得できる速さに相当する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 超高信頼・超低遅延あなたの解答 超高信頼・超低遅延は、遠隔地の機器をリアルタイムに制御するために、伝送遅延を1ミリ秒程度にするという条件であり、回線の速さを示すものではない。
- 2. 超高速正解あなたの解答 問題文の、下り最大20Gbps程度で4Gの約20倍の速さという数値に合う。
- 3. 多数同時接続あなたの解答 多数同時接続は、多数のIoTデバイスが同時にアクセスできるという条件であり、回線の速さを示すものではない。
- 4. レディーメードあなたの解答 レディーメードは、利用分野や利用形態に合った通信サービスを提供するという考え方であり、3つのシステム要求条件の一つではない。
問2
IoT専用の通信ネットワークとして利用されるLoRaWANやSigfox、NB-IoTなどの方式は、低消費電力で広域をカバーできるという特徴を持っており、これらは総称して1と呼ばれる。
答えと解説を見る
正解は 1(LPWA)です。
【概要】
LPWAは、低消費電力で広い範囲をカバーできるIoT専用の通信方式の総称である。LoRaWAN、NB-IoT、Sigfox、ELTRESなどがこれに含まれる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. LPWA正解あなたの解答 LPWAは、LoRaWANやSigfox、NB-IoTなど低消費電力・広域カバーのIoT向け方式の総称である。
- 2. WPANあなたの解答 WPANは個人の周囲の近距離で機器をつなぐ無線ネットワークであり、広域をカバーする方式の総称ではない。
- 3. WLANあなたの解答 WLANは無線LANのことで建物内など限られた範囲の通信に使われ、広域向けの方式の総称ではない。
- 4. WiMAXあなたの解答 WiMAXは基幹ネットワークの無線方式の一つであり、LPWAの総称ではない。
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よくある質問
第10章は、ほかの章とどうつながっていますか?
第3章で学んだ OFDM や MIMO などの無線の技術が、5G にも使われています。第1章の M2M 等専用番号や、第8章のセキュリティの考え方も、IoT で関わってきます。
5G の3つの要求条件は、どう覚えればよいですか?
超高速(下り最大 20Gbps 程度)、超高信頼・超低遅延(無線区間で 1 ミリ秒程度)、多数同時接続(1km² 当たり 100 万個)の3つです。数字と一緒に覚えます。
M2M と IoT は、何が違いますか?
M2M は機械どうしの通信によるデータ利用や遠隔監視・制御に重点があります。IoT は多様なモノをつなぎ、データの統合活用で新たな価値を生むことが期待され、M2M を含む概念と考えられます。
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出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。