CDMA と OFDM の違い
符号で重ねるか、細い周波数を並べるか
- CDMA と OFDM は、限られた周波数を多くの利用者で分け合うための方式です。CDMA は第3世代、OFDM はLTE 以降と5Gで使われます。
- CDMA は拡散符号で信号を広げて同じ周波数に重ねる、OFDM は重なり合っても混ざらない細いチャネルを多数並べる、と覚えます。
- 前の世代の FDMA(周波数で分ける)と TDMA(さらに時間で区切る) と並べて、4つの方式の流れで押さえます。
4つの方式の流れ
携帯電話では、限られた周波数を多くの人で分け合うために、周波数や時間を分けて通信の「チャネル」を作ります。分け方は世代とともに変わってきました。
- FDMA(第1世代から): 周波数を一定の間隔で区切り、1つの周波数を1つのチャネルが使う。
- TDMA(第2世代から): FDMA で分けた周波数を、さらにタイムスロットという短い時間で区切る。
- CDMA(第3世代): 符号で信号を見分ける。
- OFDM(モバイル WiMAX・LTE 以降): 細いチャネルを多数並べる。
この記事では、取り違えやすい後半の2つ、CDMA と OFDM をくわしく見ます。
CDMA とは
CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多元接続)は、一人ひとりの信号に別々の拡散符号を掛けて広い周波数に広げ、多数の信号を同じ周波数に重ねて送る方式です。
受け取る側は、送った側と同じ拡散符号で元に戻す操作(逆拡散)をして、自分あての信号だけを取り出します。拡散符号は、チャネルを見分ける「鍵」の役目をしていて、同じ符号を持たない人には信号を取り出せません。そのため、ある程度の秘匿性もあります。
携帯電話の基地局の仕組み(セルラー方式)に使うには、送信の電力を速く細かく調整することと、時間の同期が必要です。その代わり、つなぐチャネルの数を柔軟に増減でき、周波数を効率よく使えます。
OFDM とは
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、直交周波数分割多重)は、互いに重なり合っていても正しく送れる幅の狭いチャネルを多数並べ、通信の速さに応じて割り当てる方式です。
考え方は FDMA の延長です。FDMA では、隣のチャネルと混ざらないように間を空ける必要がありました。OFDM はデジタル変調の技術で、間を空けずに重ねて並べても混ざらないようにして、同じ幅の周波数でより多くのデータを送ります。高速なデータ通信に向いていて、LTE 以降と5G・モバイル WiMAX のほか、無線 LAN やデジタル放送にも使われています。
違いを表で比べる
| 比べること | CDMA | OFDM |
|---|---|---|
| 分け方 | 拡散符号で見分ける | 重なり合う細いチャネルを多数並べる |
| 周波数の使い方 | 信号を広い周波数に広げて、同じ周波数に重ねる | 狭いチャネルを間を空けずに並べる |
| 使われた世代 | 第3世代 | モバイル WiMAX、LTE 以降、5G |
| ほかの使い道 | ― | 無線 LAN、デジタル放送 |
| 特徴 | チャネルの数を柔軟に増減できる。電力の制御と時間の同期が必要。ある程度の秘匿性 | 高速・大容量のデータ通信に向く |
| もとになった考え | ― | FDMA の延長 |
試験での問われ方
モバイル技術基礎検定では、第3章「モバイル通信・通話の仕組み」で出ます。もちこ道場の第3章の問題(50問)のうち、CDMA・OFDM(拡散符号を含む)を扱う問題は約3割あり、この章でいちばん多い話題の一つです。
- 穴埋め: 「拡散符号で広い周波数に広げて重ねる方式」に CDMA、「重なり合っても正しく送れる狭いチャネルを多数用意する方式」に OFDM を選ぶ。選択肢には FDMA・TDMA が並びます。「拡散符号」「タイムスロット」そのものを入れる問題もあります。
- 記述を選ぶ: 「OFDM はチャネルの間を FDMA より広く空ける」「CDMA には電力の制御や同期が要らない」のように、逆のことを書いた記述を見抜く。
- 世代との組み合わせ: LTE やモバイル WiMAX が使う方式(OFDM)を問う。
覚え方
- 頭の文字で覚えます。C は Code(符号)、OFDM の F は Frequency(周波数)。符号で重ねるのが CDMA、周波数を細かく並べるのが OFDM です。
- 世代の順に「周波数 → 時間 → 符号 → 細い周波数」と並べます。FDMA、TDMA、CDMA、OFDM の順で、第1世代、第2世代、第3世代、LTE 以降に当たります。
第3章のほかの用語は「第3章 モバイル通信・通話の仕組みの要点」にまとめています。
第3章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第3章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
LTEやモバイルWiMAXなどで採用されている、デジタル変調技術を用いて、互いに重なり合った状態でも正しくデータを伝送できる幅の狭いデジタルチャネルを多数用意し、電波の利用効率を高める多重化方式を1方式という。
答えと解説を見る
正解は 2(OFDM)です。
【概要】
OFDM方式はFDMAを拡張した考え方で、互いに重なり合っても正しく伝送できる狭いデジタルチャネルを多数用い、電波の利用効率を高める。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. CDMAあなたの解答 CDMAは、拡散符号で信号を広い帯域に広げて重ね合わせる3Gの方式であり、狭いチャネルを多数使う方式ではない。
- 2. OFDM正解あなたの解答 OFDMは、各通信の速度に見合う数のデジタルチャネルを割り当てる方式で、LTEやモバイルWiMAXが採用している。
- 3. TDMAあなたの解答 TDMAは、周波数のチャネルを時間で区切りタイムスロットで送受信する方式であり、LTEの多重化方式ではない。
- 4. FDMAあなたの解答 FDMAは、隣接チャネルの間隔を一定程度空けて周波数を割り当てる方式であり、チャネル同士を重ねる方式ではない。
問2
CDMA方式では、割り当てられた1が個々のチャネルを識別する鍵の役目をする。受信側が送信側と同一のものを使って逆の操作を行うと、目的の信号だけを取り出せる。
答えと解説を見る
正解は 2(拡散符号)です。
【概要】
拡散符号は、CDMA方式で信号を広い周波数帯域に展開するときに使う符号であり、チャネルの識別に使われる。同じ符号がなければ信号を取り出せない。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 変調あなたの解答 変調は、情報を電波で伝えるために最適な電気信号に変換することであり、チャネルを識別する鍵ではない。
- 2. 拡散符号正解あなたの解答 個々のチャネルを識別する鍵であり、受信側が同一のものを使うという点が、問題文の説明と合う。
- 3. 復調あなたの解答 復調は、受信側で元の音声やデータに復元することであり、チャネルを識別する鍵ではない。
- 4. タイムスロットあなたの解答 タイムスロットは、TDMA方式で時間を分割した単位であり、CDMA方式のチャネルの識別とは関係しない。
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よくある質問
「多重化」と「多元接続」は同じ意味ですか?
モバイル技術基礎検定の範囲では、限られた周波数から複数のチャネルを作り、多くの利用者に使わせる技術として、ほぼ同じ意味で扱われます。CDMA の MA は Multiple Access(多元接続)、OFDM の M は Multiplexing(多重)の頭文字です。
W-CDMA や CDMA2000 と CDMA は何が違いますか?
W-CDMA と CDMA2000 は、CDMA の方式を使った第3世代の規格の名前です。CDMA は信号の分け方(方式)の名前、W-CDMA・CDMA2000 はそれを使った規格の名前、と区別します。第3世代の規格は第3章の「通信方式の世代」のまとまりで出ます。
OFDM は携帯電話だけで使われていますか?
いいえ。LTE 以降の携帯電話・5G・モバイル WiMAX のほか、無線 LAN やデジタル放送にも使われています。「OFDM を使うのは LTE だけ」のような記述は誤りです。
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